2022-01-28から1日間の記事一覧
自意識(自己意識、自我意識)から内省へ 11-3-1)自意識、自己意識、自我意識 時々に刹那刹那に上がって来る欲求に従って動くのでは、とても浅い動きでしかない。深い、意味深い行動を選び取るには、自身の中に存在する知的資源を知らねばならない。それには、…
知性から精神へ 11-1)知行合一 私は、上で述べたように、精神機能の一つであるべき知性を、精神から切り離した。というのは、知性は図書館(知の集合体)である。知性は行動する競技場にはなり得ない。 王陽明(中国明代の儒学者、哲学者、高級官僚、武将)は言…
11)精神、性格、意志、注意、理性知の階段 11-0)この本全体のテーマ(主題)の一つが、階層構造である。そして第三章のテーマが、情報(知)の発達と階層性である。人間においては、脳内の情報(知)の発達と、心の成長発達とは、並行しているというか、脳内の情報…
10-6)知性とは ある男性が、脳腫瘍で左右の前頭前野が手術によって切除された。知能が高かったその男性は、手術後も、知性レベルにほとんど変化はなく、記憶も損なわれず、言語活動や運動能力にも変わりがなかった。要するに、IQは、前頭前野切除後も低下し…
思考(言語の進化:コミュニケーション言語⇒独り言⇒思考) 10-4-1)意思疎通言語⇒独り言⇒思考 言語は、外界(社会)に向けては、コミュニケーションの手段である、と述べた。内界(心の中)に向けては、思考の手段である。考えるとは、内的作業である。とは言え、図…
10-3-6-1)人の脳内言語構造 人の場合には、耳で聞いた声は、聴覚神経によって脳幹(視床)に伝わる。その後大脳新皮質側頭葉の聴覚野に伝えられる。ここで初めて音が語音(言語音)として認識される。つまり、音を言語として分類する。更に、側頭葉の別の部位で…
鳥のさえずりと言語 10-3-5-1)鳥と人の共通点 人と同じように、多種多様な音(声)を出すことができて、個体同士が声でコミュニケートするのは、鳥類の鳴禽類だけである。といえば、たちどころに、犬や猿も多様な鳴き声を持ち、声に感情を乗せる、と反論が来そ…
言語 10-3-1)言語とは 言語の種類としては、聴覚的な音声、視覚的な文字、だけではなく、視覚的な身振り言語、触覚的な点字などがある。これらの感覚的なものから、具体性(聴覚性、視覚性、触覚性)を捨て去って抽象化したものが、言語一般(感覚性を伴う言語…
10)知性、言語、思考、意識10-1)右脳と左脳 脳の情報処理の仕方は、右脳と左脳とでは大きな違いが生まれる。左半球(左脳)は、分析的、系統(継時)的、時間的、直列的、デジタル的である。 それに対して、右半球(右脳)は、包括的、全体的、空間的、並列的、ア…
感情の成長 9-6)誕生時には、身体感覚的な、満足(快)、苦痛(不快)だけであり、反応も、様々な感覚情報への刹那的な個別的機械的反射のみであった。つまり、反応は、身体内外から来る快不快の感覚への都度都度の反応に過ぎなかった。 だが、自我という(心の中…
9-4)情緒とは 情緒を、私は上で定義したが、改めて述べ直すと、もっぱら積み重ねてきた知性や経験に強く裏打ちされた気持ち(感情)であると。例えば、感動、尊敬、義憤、畏敬、畏怖などなど。狭義の感情も、部分的には、動物、特に社会生活を営む猿や類人猿と…
感情 9-3-1)無意識的感情と意識的感情 辞典では、生理学的には、感情には、身体感覚に関連した無意識な感情と、意識的な感情とに分類されていた。 (1)無意識感情は、扁桃体、視床下部、脳幹に加えて、自律神経系、内分泌系、骨格筋などの末梢系が関与する。…
情動 9-2-1)情動とは 情動とは、怒り、恐れ、喜び、悲しみなどなど、比較的急速に引き起こされた一時的で急激な(1)感情と(2)身体的動き、である。つまり、情動とは、感情が直接原因で引き起こされた体(身体内外に向かった)の動き、である。ある感覚刺激に対…
9)情動、感情、情緒9-1-1)感情とは 感覚情報と体内情報が、心の中で生のまま(加工を施されない段階で)感じ取られたものが感覚で、それを基に個人的主観的評価(判断)を加えたものが感情である。感情は、多種多様の感覚情報を一つにまとめる働きがある。9-1-2)…
(4)右脳が様々な感覚情報を統合して一つのまとまったイメージ(犬、女性など)を形成し、左脳がそれを言語化(タグ付け)する。そして、右脳のイメージと左脳の言語が、脳梁を介して一つに結ばれる。 (5)その結果、次の段階である左脳主体での言語(デジタル)を用…
(3)象徴機能(イメージ)を使って遊ぶことができるようになる。本物の自動車から積木を自動車と見立て、更には、頭の中での視覚的イメージに置き換えていく。このように実際のものが目の前になくても、感覚情報で構成されたイメージ(心像)を心の中に再現して、…
思考の始まり、感覚情報からイメージ、そして言語へ 8-9)感覚情報から言語使用までの流れ ピアジェ認知発達論を先に述べたが、再度提示する。 (1)誕生後、赤ん坊は反射行動(吸う、触れる、注視するなど)によって、身の周りの物を感覚的に知っていくこと(知覚…