脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第一章:階層構造、脳の階層性(系統発生) 3-0)脳の階層構造的進化 脳部位の機能的区分 大脳の機能的区分 3-0-4)大脳は、機能的には、新皮質系、辺縁系、基底核系の3つに分けられる 3-0-4-4)大脳より下の脳幹

3-0-4-4)大脳より下の脳幹
大脳基底核が、外へ向けての行動化を制御する拠点であるが、脳幹(間脳、中脳、橋、延髄)は、呼吸、心臓の拍動、体温調節など、身体内部の、主に自律神経を中心として無意識に行われる「生命維持」において重要な部位である。
脳幹内の間脳に属している「視床下部」は、摂食行動(空腹中枢、満腹中枢)、飲水行動、性行動など「生得的行動」を動機付ける(欲求を産み出す)中枢である。また、自律神経系や内分泌系を制御して、生命維持と「体内環境の恒常性」を司る。 
大脳基底核が、随意(大脳新皮質)と不随意を中継する(行動発動)機能を有しているのに対して、その下位階層に位置する視床下部(脳幹)は、生命に直結する不随意の本能行動を自律神経を介して制御する。
間脳に属している視床は、様々な感覚系情報を、脊髄や脳幹から中継して大脳皮質に送り出す中継地点である。
大脳基底核が意志で動く行動の中継地であるのに対して、脳幹は、自動的に無意識的反射を担う中枢である。しかも脳幹反射は、目、喉、口など顔に限定される。
下位の階層ほど、自律性、自動性、無意識性が高く(深く)成って行く。つまり、意識的制御が届き難くなる。