第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 脳部位や機能別髄鞘化の進行 5-6-2)大脳新皮質

5-6-2)大脳新皮質
大脳皮質は髄鞘化が遅いが、生後3～4カ月頃、視神経から視覚中枢である大脳新皮質後頭葉に向かう白質の髄鞘化ができる。その頃には頭頂葉の皮質下の白質の髄鞘化ができつつある。
注)視床から大脳新皮質への投射の髄鞘化は、胎生5ヶ月頃から開始し生後4ヶ月にほぼ完成する。
視覚野、体性感覚野の次に、運動野、それから頭頂葉、側頭葉、前頭葉の皮質が髄鞘化する。同じ大脳皮質の中でも、人間で特に発達している、より高度で複雑な思考を担うとされる大脳新皮質内前頭葉と側頭葉では特に遅い。更には、連合野である、前頭連合野、頭頂連合野、側頭連合野は、思春期になってやっと完成する。