8-4-2)脳幹での複合的反射行動
脊髄だけが反射行動を取るのではなく、それよりも上位の脳部位でも反射行動を実行する。
例えば、目(網膜)に入った視覚情報は、分岐して、一部は、視蓋(脳幹中脳)と、上丘(脳幹中脳)へと伝えられ、そこで反射運動を起こす。上丘は、直接視覚だけでなく、間接的に聴覚と触覚の情報も受け取っており、触れたものや音のした方を(目や頭が)向くという定位反射を引き起こす。
脊髄は、単体の感覚情報(例えば、触覚のみ)に反応するが、脊髄よりも上位に位置する脳幹では、複合的(いくつもの感覚情報が統合された)情報に反応する。
先ほどの視覚情報に話を戻せば、大部分は一次視覚野へと送られて、その後分析(側頭連合野)の後に再統合(頭頂連合野)され、更にその後意識的随意行動を起こす。先程の例では、無意識が方向を定め、意識が対象を確認(認知)する。
注)中脳は、視覚情報(上丘)と聴覚情報(下丘)の中継地点が存在する。鳥類ではそれぞれが個別の中枢を担う。人間では、反射を担う。
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