感覚遮断
8-5-1)感覚遮断実験
感覚遮断実験の参加者は、「何もしないことには耐えられない」という。人間は、さまざまな刺激を求め、ある程度、常に脳を活動状態に置いておきたい。人は何も刺激がない状態では気が狂いそうになり生きていけない。
では、感覚遮断実験の参加者はどんな実験を受けたのだろうか。目隠しをされ、耳栓をつけられ、手には筒をはめて物を直に触ることができない。食事とトイレ以外は柔らかいベッドの上で寝ている状況に置かれ、感覚刺激の入力を極力制限される。視覚情報、聴覚情報、触覚情報、などの主要感覚情報から遮断される。とは言っても、人は眠ると、感覚情報の多くを遮断しているわけだが。
注)感覚情報の割合、視覚(目):87.0%、聴覚(耳):7.0%、嗅覚(鼻):3.5%、触覚(皮膚):1.5%、味覚(舌):1.0%。
8-5-2)脳幹網様体
網様体(脳幹)の神経細胞の活動が弱くなると、視床の表面を覆う神経細胞がゆっくりとした規則的な活動になり、外界からの感覚情報を遮断する。
深い睡眠時、外界からの感覚情報は、上で述べた手順を踏んで、視床において入場規制を受けた結果、大脳新皮質感覚野へと感覚情報が運ばれなくなる。この睡眠時の無意識的手順は、瞑想座禅することで意識的に起こすことができる。
注)網様体とは、脳幹の背側部分に散在する構造で、 まばらな細胞体の間を網目状の神経線維(軸索)が結んでいる。
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