脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第四章 運動(行動)の発達と階層性 12)運動の発達 意識的行動の指示経路

意識的行動の指示経路
12-4)大脳新皮質前頭前野が運動をイメージ(脳内リハーサル、シミュレーション)すると、大脳新皮質前頭葉運動野が企画して、小脳(運動プログラム)が細かい動きを提示し、大脳基底核(中間管理職)が実行部隊に指示を出して、脊髄や脳幹が筋肉に指示を下す。
更に詳しく解説すると、前頭前野が、運動を意図すると、それが補足運動野と運動前野に送られ、身体に関する感覚情報が頭頂連合野から送られて来て、一次運動野に運動プログラムの指令が出され、細かいパターン運動指示が出る。運動が開始されると、筋肉からの感覚情報が脊髄を介して小脳にフィードバックされて、調整される。
運動野について補足すると、役割が分担されていて、例えば、運動前野は、頭頂連合野の後方から視覚と体性感覚の情報を、側頭連合野から視覚と聴覚の情報を受け取る。これらの感覚情報を頼りとして運動を実行する。それに対して、補足運動野は、大脳辺縁系とのつながりも強く、記憶にもとづいて順序正しく運動する際に働く。
注)背側運動前野は、規則に従って動く物体をモニターする。これは、ミラーニューロンと同じ機能である。