脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

2022-01-31から1日間の記事一覧

まとめ(あとがき) 階層構造

00)まとめ(あとがき) 受信装置としての脳について、三つの章にわたって述べてきた。だが、発信装置としての身体構造、身体機能についてはあまり述べていない。これは、この本の目的が、脳と脳の機能、脳の歴史的変化にあったからではある。 であっても、生物…

第四章 運動(行動)の発達と階層性 12)運動の発達 運動の構造と機能 12-5-1)機能分化

運動の構造と機能 12-5-1)機能分化 手の指が1本1本独立して動き、物をつかむ、という運動は、ヒトやニホンザルなどの霊長類だけが持つ、きわめて高次な運動機能である。哺乳類の動物であっても、手と足の機能分化が進んでいなければ、このように手指を使うこ…

第四章 運動(行動)の発達と階層性 12)運動の発達 意識的行動の指示経路

意識的行動の指示経路 12-4)大脳新皮質前頭前野が運動をイメージ(脳内リハーサル、シミュレーション)すると、大脳新皮質前頭葉運動野が企画して、小脳(運動プログラム)が細かい動きを提示し、大脳基底核(中間管理職)が実行部隊に指示を出して、脊髄や脳幹が…

第四章 運動(行動)の発達と階層性 12)運動の発達 生得的無意識的反射的運動 12-3-1)リズム的パターン発生機構

生得的無意識的反射的運動 12-3-1)リズム的パターン発生機構 母体内の胎児の段階から、手足を屈伸させたり、ばたつかせたりする。これらは、生まれつき備わっている生得的な運動で、無意識的反射的自動的運動である。 これらを実現実行するのは脊髄や脳幹で…

第四章 運動(行動)の発達と階層性 12)運動の発達 運動の階層性 12-2-1)視線の転換

運動の階層性 12-2-1)視線の転換 脳幹の中脳の上丘は、視線を対象に反射的に向ける機能がある。この反射的行為を抑えるのは難しい。がしかし、不可能ではない。意識的に訓練をすると、この反射的に視線を向ける行動を抑えられる。この行為を抑えるのは、前頭…

第四章 運動(行動)の発達と階層性 12)運動の発達

第四章 運動(行動)の発達と階層性 12)運動の発達 12-0)このセクション(節)では 今まで、脳の階層性と、知の階層性を解説して来たが、ここでは、運動、行動、反射行動の階層性について解説して行きたい。とは言っても、既に、随所で、言及して来たので、まと…

第三章:情報(知)の発達と階層性 11)精神、性格、意志、注意、理性 11-8-3)言葉の限界  

11-8-3)言葉の限界 人間は、感覚情報を受け取る。そして、それを知性情報として言葉化している。しかし、感覚情報と言葉化した知性情報との間には、なんら必然性はない。それらは恣意的な結び付きでしかない。だのに、人間は余りにも言葉に頼り過ぎる。そろ…