脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第一章:階層構造、脳の階層性(系統発生) 2)脳の重さ(と知能) 2-1-2)脳の成長度合い

2-1-2)脳の成長度合い
脳の場合は、3歳では、すでに約1,000グラム(2倍半)にまで成長し、成人の脳の7割に達している。
と考えると、脳の成長はことのほか速い。脳が急速に成長する余地を確保するため、赤ん坊の頭蓋骨の間にはすきまが開いている。ちなみに、身長に関しては、子供が大人の7割(115cm)に達するのは、6歳頃である。
学齢期の6歳では、成人の脳重のおおよそ9割(1,250グラム前後)にまで達する。7~8歳で、成人の脳とほぼ同じ重さにまで近づいている。
注)成長ホルモンは、睡眠中に2時間から3時間の間隔で下垂体前葉(脳幹内間脳の視床下部から伸びた先にある)から分泌される。子供は、睡眠時に特にこのホルモン分泌が促進される。寝る子は育つ。
ところが、脳内は一律に大きくなるのではない。脳の内の脳幹は、生後半年で成人と同じ重さにまで成長する。というのは、脳幹は、誕生時には早々と必要とされる、生存の基礎的機能を受け持つ部位なので、早く完成するのは当然なのだろう。
注)新生児とは、生後28日(4週)未満の赤ん坊で、生後4週(1ヶ月)~1歳未満までを乳児という。1歳~7歳未満(小学校入学)までは、幼児と呼ぶ。

人間脳を育てる 動きの発達&原始反射の成長

人間脳を育てる 動きの発達&原始反射の成長

  • 作者:灰谷孝
  • 発売日: 2016/06/22
  • メディア: 単行本