3-0-6-5)理性
とは言っても、科学的知が人類を幸福にするとは限らない。最先端の科学技術によって建設された原子力発電所が、幾度となく、人々を恐怖に陥れて来た。
その知性を上から俯瞰するのが理性である。理性とは、「全体的な統一と総合の能力」である。つまり、全体を統一的に、総合して見る能力である。他方、知性は断片的である。全体を見渡す為には更に高みに登らねばならない。理性はこの高みから俯瞰する能力、俯瞰して見渡す能力である。こういう定義であれば、社会集団を形成するサルのボスは、理性を働かせる、と言えそうだ。
理性は、社会集団を最高階層から、自我(自分第一主義)を離れて、全体を整然と秩序だって、統合する能力である。だから、ニホンザルにも、リーダーには理性が必要となる。リーダーとしての、内政と外交の力量がなければ、追放の憂き目に会う。