脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第一章:階層構造、脳の階層性(系統発生) 3-0)脳の階層構造的進化 脳部位の機能的区分 大脳の機能的区分 3-0-7-1)脳部位の機能喪失順序 3-0-7-2)脳への血流停止

3-0-7-1)脳部位の機能喪失順序
建設があれば、崩壊もある。ここでは、脳機能の崩壊を述べたい。
脳が、階層構造的に積み上がっている様を構造面と機能面で示したが、何らかの原因によって、逆に脳機能が停止していく様子を二例示す。
3-0-7-2)脳への血流停止
例えば、脳への血液(酸素と栄養の供給方法)の流入停止によって、脳のさまざまな部分の機能喪失が進行して行く。機能喪失(崩壊)の順序が脳の階層をうまく提示している。
脳への血液が停止してから、
(1)5秒~10秒の内に、大脳皮質と小脳が活動を停止する。
(2)それで意識と脳波(脳波図)(大脳の働きを示す)が消失する。
(3)その後、皮質下部分でも約20秒後には、脳幹が機能停止する。
脳幹にある中脳網様体は、上位階層へ向かって、強く賦活する機能を持つ。つまり、新皮質系の全般的活動水準を維持し、覚醒水準、意識の維持に重要な役割を果す。
(4)その後、延髄に中枢がある呼吸機能と体の維持制御機能が失われる。
(5)それでも脊髄が仲介する反射運動がもう少し長く(1分から2分間)存続する。
結論を言うと、ごく大まかではあるが、階層構造の上から下へと、電力(エネルギー)の供給が停止されていくという感じである。