3-0-7-1)脳部位の機能喪失順序
3-0-7-3)酒による脳への影響
血液流入停止は、脳部位の機能停止が速いが、お酒の脳への影響は、血液停止による速い影響とは少し異なる。なお、長期間での慢性的影響ではなく、その時(飲酒時)だけの短期的影響である。
(1)網様体(脳幹)が麻痺すると、そこから感覚情報(エネルギー)の送り先である大脳新皮質(理性)の活動が低下する。
(2)酔いの初期状態として、大脳新皮質の活動低下によって、上位階層から抑えられていた大脳辺縁系(情動)の活動が逆に活発になる。
(3)更に酒の影響が強まると、小脳(運動)が麻痺し始める。結果、体がふらつきはじめ、姿勢が定まらない。
(4)更に酒の影響が強まると、大脳辺縁系海馬(記憶)が麻痺し始める。酔いが醒めた後に、記憶をたどれない。記憶が飛んでいる。
(5)更に酒の影響が広がると、延髄(生命維持)までもが麻痺し始める。ここまで影響が進むと、呼吸困難など命の危険が生じる。