脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第一章:階層構造、脳の階層性(系統発生) 3-2)小脳 (その五)

3-2-3-3)大脳皮質主導から小脳主導へ

上で述べたことをあらためて順序立て(四段階に分け)て詳しく解説する。
(1)フィードバックによる慎重な練習
試行錯誤の練習中には、大脳(新皮質)が中心になって(主導権を握って)、大脳(大脳新皮質前頭葉内運動野)が、随意運動として、運動の結果や途中経過を自身にフィードバックして、自ら正しく動いたかどうかをモニターチェックしながら慎重にやっていく。感覚情報と筋肉情報などをフィードバックしての学習なので、ゆっくりと部分に区切りながら試行を繰り返して徐々に上手くなって行く。
(2)小脳の記録係としての役割
それを小脳側から述べると、練習時には、その時それを小脳が脇からモニターし、途中経過を成功も失敗をも含めて全てを記録する。様々な角度からのフィードバック情報を受けながら、都度都度修正する小脳の働きによって、最初はぎこちなく失敗しがちな行動が、刻々の修正によって、失敗行動が消去されて弾き落とされて、徐々に成功事例が積み上がって、運動が正確にかつスムーズにかつスピーディーになってゆく。最初はぎこちなくても、練習を積むことによって、正確にスムーズにスピーディーな行動が取れるようになる。
(3)全ての記録情報から最適なプログラムを作成
その時の筋肉や皮膚からの感覚情報(ボトムアップ情報)も、視覚聴覚情報も、ともに小脳へ報告されて統合される。それを片っ端から学習記録して成功要素だけを集めてプログラム形式で完成形を記憶する。
無意識を鍛える
リーダーのための フィードバックスキル