3-3-1-2)大脳辺縁系の機能
大脳辺縁系の内で、海馬は「記憶の形成」に、扁桃体は「情動の形成と発現」に関わる。側坐核は、「新皮質が作った計画や目標を行動化へと促す」機能を有する。
極々大まかに言うと、大脳基底核までが、どのように運動するか(運動方法)に関わっているが、大脳辺縁系からは、どのような運動をするかに関わる。つまり、上位階層に上がるほどに運動内容が多彩になってきたということである。例えば、表情、声、態度(毛を逆立てる、姿勢)、行動などなど。
つまり、大脳基底核が、運動「方法」(種類、逃げる、攻撃する、服従するなど)を選択し、大脳辺縁系が、運動内容(表情、声、態度、行動など)の「選択」に関わる。なお、大脳新皮質の前頭葉は、運動の「計画」を作成する。
大脳辺縁系は大別して、記憶装置としての海馬系と、感情表出装置としての扁桃体系と、大脳新皮質と大脳辺縁系(と下位階層)のインターフェイス(関所、窓口)としての帯状回とに大別できる。