脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第一章:階層構造、脳の階層性(系統発生) 3-3)大脳辺縁系 大脳辺縁系に属す主要脳部位 扁桃体 (その一)

大脳辺縁系に属す主要脳部位
ここからは、大脳辺縁系の個々の脳部位について述べて行く。
3-3-2-1)扁桃体とは
大脳辺縁系の一部である「扁桃体」は、側頭葉内側の奥に左右(右脳と左脳)一つずつ存在する、アーモンド形の、2cm程の神経細胞の集まり(神経核)である。扁桃体は、脳の中でも早く成熟する器官で、生まれた瞬間からもう機能している。情動的記憶と情動反応の発信とにおいて主要な役割を持つ。
3-3-2-2)扁桃体の役割(機能)
扁桃体は、何かを見たり聞いたり感じたりしたとき、つまり、感覚情報が入って来た時に、それが生存に関わる重大なものであるかどうかを一瞬の内に評価する。つまり、生まれた瞬間から生命存続に不可欠な機能を扁桃体は持ち合わせている。忘れられない体験、例えば、天敵に襲われかけた、というような体験をすると、それは扁桃体に強い恐怖体験として記憶され、次回にそれと似た体験をすると、大脳辺縁系扁桃体が即座に反応判断する。つまり、扁桃体は強い感情を生み出すのに主要な役割を果たす。ということで、扁桃体は、身体的安全確保を最優先課題として働く。
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