脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 脳部位や機能別髄鞘化の進行 脳梁

大脳新皮質(前頭葉、側頭葉、頭頂葉後頭葉)
5-6-1)右脳と左脳を結ぶ脳梁
新生児の場合、左半球(左脳)と右半球(右脳)を結ぶ脳梁神経は、未成熟でほとんど分離している。両者間の結線(神経線維の髄鞘形成)は漸進的速さであり、脳梁の後部から前部に向かって進む。おおむね6歳までに完成するようだが、完全に髄鞘化されるのは思春期(8歳頃から17、18歳頃まで)頃である、という説もあり、その期間の幅が大きい。
注)脳梁(約2億~3億5000万本の神経線維=軸索)は、両大脳半球間の情報連絡を担う。
脳梁の後部の膨大部は、左右の視覚情報(感覚)を伝達する。脳梁の中央部は、左右の運動機能(運動)を連絡する。脳梁の前の方にある膝部は、左右の前頭前野(認知)をつないで認知機能を支える。脳梁髄鞘化も大脳新皮質髄鞘化も、後ろから始まって前へと進んで行く。
注)脳の発達、発生、髄鞘化は、一般的に下から上へ、後ろから前へ、奥から表面へ、と進展して行く。

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