脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 5-2-1)胎児期(誕生以前)の髄鞘化

5-2-1)胎児期(誕生以前)の髄鞘
胎児期4~5ヶ月で脳神経の髄鞘化が始まる。具体的には、胎児5ヶ月頃からは脳幹部(いくつかの脳部位の集まりなので全体が同時進行ではないので既に部分的には開始されている)や脊髄(脳幹よりも取り掛かりは早い)の軸索がミエリン化(髄鞘化)を開始する。8ヶ月になると神経系全般に広がって行く。
5-2-2)乳児(誕生~12ヶ月)の脳の髄鞘
有髄(髄鞘化された)線維となるべき軸索は、生まれたばかりの新生児ではほとんどが未熟(未完成)で、次第に髄鞘が形成されてゆく。この髄鞘化の進行速度は脳の部位によって違う。
とは言っても、誕生時は、生命維持に必要な機能が営まれる橋(脳幹)の一部までで、それによって可能となる反射は原始反射にとどまる反射的行動である。
2ヶ月頃、橋全体に髄鞘化が及ぶと、重力に対して首を持ち上げられるようになる。つまり、首が据わる。
4~5ヶ月になって、髄鞘化が中脳に達すると、立ち直り反射(身体が空間上で位置が動いたとき、本来あるべき姿勢に立ち直る反射=姿勢反射)も出現する。
注)体の位置、姿勢、運動における平衡を保つことを、姿勢反射という。姿勢反射は、延髄、脊髄段階でも個別に現れるが、中脳が上位統合する。
4~5か月頃からみられ始め、7~12ヶ月には頻繁にみられるのが、四つん這い、寝返り、ハイハイなど、四足運動段階の行動である。
髄鞘化が大脳皮質にまで達すると、平衡反応が出現して、つかまり立ちなどの立つ姿勢をとれるまでに発達する。
最初は、単体(手、脚、首など)の脳部位の機能化が始まり、次に複合的な機能化、つまり、(崩れからの)立ち直り行動が可能でなり、次には、四足動物的手足の協調運動ができ、最後に人間の高いバランス(平衡)感覚が必要な二足歩行へと至る。

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