脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

2021-01-01から1年間の記事一覧

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 6)神経回路(ネットワーク) 6-1)大脳皮質と神経回路

6)神経回路(ネットワーク)6-1)大脳皮質と神経回路 神経回路とは、個々の神経細胞が軸索を伸ばし、他の多くの神経細胞とシナプスを介して結合した、神経細胞の集合体である。 大脳皮質には、80個程度の神経細胞で構成されるミニ円柱(コラム)構造(神経回路)が…

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 脳部位や機能別髄鞘化の進行

5-9-2)随意運動に関連する主要な脳領域は、大脳新皮質だけではなく、小脳、それと大脳基底核である。とは言っても、小脳と基底核は無意識的に作動するが。 なお随意とは、自分の意志に従って、ということである。随意運動は、必ずしも外的な感覚刺激要因によ…

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 脳部位や機能別髄鞘化の進行 大脳新皮質運動野(随意運動)

大脳新皮質運動野(随意運動) 5-9-1)随意運動に関する神経系(大脳新皮質運動野:前頭葉後部)の髄鞘形成は、出生時にはすでに始まっており、ピーク状態は1歳半頃までで、完成するのは約2歳である。 随意運動の指示を出すのは、大脳新皮質前頭葉運動野であり、そ…

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 脳部位や機能別髄鞘化の進行 高次運動系 小脳(複雑なプログラム駆動型運動系)

高次運動系 小脳(複雑なプログラム駆動型運動系) 5-8-1)小脳系の髄鞘形成は、胎生7ヶ月頃から起こり、誕生後5ヶ月~8ヶ月頃に完成する。驚くことに、小脳は、大きさ的には、大脳の10分の1しかないのに、大脳よりもはるかに多くの神経細胞がある。つまり、脳…

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 脳部位や機能別髄鞘化の進行 脳幹網様体(覚醒、意識)

脳幹網様体(覚醒、意識) 5-7)脳幹網様体は、下は(1)脊髄から始まり、(2)延髄と(3)橋と続き(4)中脳まで伸びており、意識という覚醒系に重要な働きをもたらす。脳幹網様(体賦活系)が損傷を受けると、意識を失って眠り込む昏睡に陥る。 大脳の奥底にある、脳幹…

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 脳部位や機能別髄鞘化の進行 5-6-2)大脳新皮質

5-6-2)大脳新皮質 大脳皮質は髄鞘化が遅いが、生後3~4カ月頃、視神経から視覚中枢である大脳新皮質後頭葉に向かう白質の髄鞘化ができる。その頃には頭頂葉の皮質下の白質の髄鞘化ができつつある。 注)視床から大脳新皮質への投射の髄鞘化は、 胎生5ヶ月頃か…

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 脳部位や機能別髄鞘化の進行 脳梁

大脳新皮質(前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉) 5-6-1)右脳と左脳を結ぶ脳梁 新生児の場合、左半球(左脳)と右半球(右脳)を結ぶ脳梁神経は、未成熟でほとんど分離している。両者間の結線(神経線維の髄鞘形成)は漸進的速さであり、脳梁の後部から前部に向かって…