脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 5)髄鞘化(ミエリン化) 脳部位や機能別髄鞘化の進行 高次運動系 小脳(複雑なプログラム駆動型運動系)

高次運動系
小脳(複雑なプログラム駆動型運動系)
5-8-1)小脳系の髄鞘形成は、胎生7ヶ月頃から起こり、誕生後5ヶ月~8ヶ月頃に完成する。驚くことに、小脳は、大きさ的には、大脳の10分の1しかないのに、大脳よりもはるかに多くの神経細胞がある。つまり、脳の神経細胞の大部分は、小脳にあり、その数は1000億個以上である。これが、小脳の潜在的可能性の大きさを物語っている。
5-8-2)小脳が、平衡感覚を利用できるようになると、首が据わり、座ることが可能となり、身体のバランスが取れるようになる。これは、器官同士の協同運動に関わる小脳の髄鞘化によって可能となったわけである。前庭小脳は胎生6ヶ月頃から8ヶ月頃に髄鞘化する。
要するに、小脳の主要な機能は、知覚(感覚情報)と筋肉運動機能の統合であり、基礎(初期)的には、筋緊張、平衡維持、随意筋運動の調節などを司る。
注)脳部位は、一つの部位でも、低位の機能から高位の機能まで、段階的に同居していることもある。小脳、扁桃体、前頭連合野などが当てはまる。