3-4-4-2)前頭前野の機能分化
3-4-4-2-1)脳部位の位置関係
上では前頭前野の情報面での全般的な役割を述べたが、ここでは、前頭前野を機能別に分けて述べたい。
その前に、前頭前野内での脳部位の位置関係を説明すると、
(1)より前方の部位はより抽象的かつ高次な情報処理を担う、という傾向がある。例えば、腹側部では、後ろの部位は食べ物、飲み物などの具体的な報酬処理に関わり、より前の部位はお金や名声などのより抽象性の高い報酬処理に関わる。
(2)外側は、外部の感覚情報(外発的動機)に関わる。それに対して、内側は、内部の情報に関わる。
(3)腹側と背側とでは、背側は腹側よりも上位階層に位置する。
これは、大脳新皮質に共通の原則である。
注)前を吻側、後ろを尾側と言う。上を背側、下を腹側と言う。表を外側、裏を内側と言う。
脳を育て、夢をかなえる―脳の中の脳「前頭前野」のおどろくべき働きと、きたえ方 (くもんジュニアサイエンス)
- 作者:川島 隆太
- 発売日: 2003/07/01
- メディア: 単行本