脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第三章:情報(知)の発達と階層性 8)感覚 8-1)ユングのタイプ論

8)感覚
8-1)ユングのタイプ論
ユングは、人の心の働きを、(1)方向と(2)働き(機能)という二つの面で分けた。
8-1-1)外向と内向
主に関心の向く方向を外界と心の中(内界)とに分けた。
(1)外向的な人は、外部の物事に興味関心が向く。周囲や現実に意識が向かいがちである。人々をよく観察する。脳的には外側前頭前野型。
(2)内向的な人は、自身の内面(心の中)に関心注意が向く。内省的で、他人に対して興味をあまり示さない。脳的には内側前頭前野型。
8-1-2)心の働き
ユングは、心の働きを、私流に言えば、階層構造的に判断階層別に分けた。判断階層を下から、(1)感覚、(2)感情、(3)思考、(4)直観とに区分した。
(1)感覚が優位な人は、物ごとを見たまま、そのまま、感情や知性を交えないで感じ取る傾向がある。自分の五感を働かせながら情報を集め、事実やデータをまるで写真に撮ったかのように詳細に把握する傾向がある。右脳優位型。
(2)感情が優位な人は、好き嫌い、快不快、嬉しい悲しいなどの感情を根拠にして物事を判断し行動する傾向がある。大脳辺縁系(扁桃体、前頭眼野)優位型。
(3)思考が優位な人は、物事を論理的に捉える傾向があり、理論や学問に関心が向く。左脳(前頭前野、特に背外側前頭前野)優位型。
(4)直観が優位な人は、単なる事実(感覚情報、知識)よりも、その裏に隠れている意味や可能性に関心を持つ傾向がある。 物事をこまごまと左脳的に分析するのではなく、全体像をぱっと把握し、物事の本質に目が向く。右脳(前頭前野、特に内側前頭前野)優位型。
注)右脳、左脳と言っても、大脳新皮質は、かなり明快に機能分化されている。後ろから、(1)後頭葉(視覚野)(2)頭頂葉(体性感覚野、空間認識)(3)側頭葉(聴覚野)(4)前頭葉(実行、計画)
8-1-3)階層構造的情報の受発信
ユングは、心の働きを四つ((1)感覚、(2)感情、(3)思考、(4)直観)に分けた。私も、心の成長発達を、四つの階層(感覚⇒感情⇒知性⇒精神)を登って行く過程、としてこの第三章で説明をして行きたい。

タイプ論

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ユング著作集 1 人間のタイプ

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臨床ユング心理学入門 (PHP新書)

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近代心理学の歴史 (ETHレクチャー)

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