3-3-4)帯状回(帯状皮質=前部帯状回+後部帯状回)
帯状回は、きちんと確定した、全体を包括する用語が生まれていない。おおよそ大脳新皮質の底辺部に張り巡らされている。
3-3-4-1)帯状回の構造
帯状回は、脳梁(左右脳を連結する配線群)の周囲(前から上をおおって後ろまで)を取り囲むように存在する。帯状回は、前部(24、32野)と後部(23、31野)とでは、機能的に異なる。
注)帯状回は、更に細かく分けられることもある。例えば、四分類式は、前帯状皮質(24、32、33野)、中帯状皮質(25野)、後帯状皮質(23、31野)、脳梁膨大後部皮質(26、29、30野)、と分類する。更にはそれ以外の分類方法もある。
3-3-4-2)帯状回はインターフェース(機能)
コンピュータ用語に、「インターフェイス」という言葉がある。これは、異なる種類のものを結びつける共用(接続)部分を示す。インターフェイスには、(1)「接続」という結び付ける機能、と同時に、(2)「関所」(検問所)という切り離す機能、とを併せ持つ。
帯状回は、「大脳新皮質」と「大脳辺縁系」(あるいは、大脳辺縁系とそれより下位階層)とを結び付ける「インターフェイス」としての役目を持っている。その結果、広がりを持つ帯状回が、どのような脳部位と接しているかで、役割が変わって来る。というよりも、帯状回は、各脳部位との接合部にある門であり、通常は閉じられている。
人間性のニューロサイエンス―前頭前野、帯状回、島皮質の生理学
- 作者:有田 秀穂
- メディア: 単行本