脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第二章:脳の発達(個体発生)、二段階の成熟 4)脳の成熟順序 4-2-3)第二段階は神経回路(網)の形成

4-2-3)第二段階は神経回路(網)の形成
髄鞘化の次の段階が、「神経回路の形成」である。言い換えると、
シナプス(接合部)形成=神経回路の形成=神経細胞の組織化(集団化)である。
個々の神経細胞は、各自から線(軸索)を一本伸ばして、お互いにシナプスを介して繋がり合う。そういう方法で神経細胞同士が神経回路(ネットワークシステム)を形成する。神経回路の集合体を神経回路網と言うこともある。
注)脳と神経細胞は、胎内で、遺伝子によって、構造が出来上がって、生まれ出る。
4-2-4)かなり同時並行的進行
髄鞘化の次に神経回路の形成とはいっても、短期間で一斉に完成するわけではない(数ヶ月から数年かけて)ので、実際には、かなり数多くの脳部位で同時平行的進行という感じではある。
これらの段階を比喩的に表現すると、神経細胞を人に例えると、人の誕生が神経細胞の誕生であり、一人の人間が大人になって行くのが、髄鞘化(個々人の能力アップ)である。その大人が、会社組織に入って、会社の目的目標を達成するため働くならば、個々人(神経細胞)で構成された会社組織が、神経回路に相当する。その会社が子会社、孫会社を持っているなら、それらを束ねると、神経回路網と例えられる。しかし、人の場合は、会社組織の前に、家庭内に入り、次に学校に入りというように、次から次へと大きな組織へと入って行く。神経細胞も同様に、初期には小規模な神経回路を組み、その回路同士が合体して、より大きな回路へと成長して行く。

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