脳の階層構造的発生成長成熟

脳と心(情報)の並行する発達順序

第三章:情報(知)の発達と階層性 8)感覚 8-8-2)純粋経験とは

8-8-2)純粋経験とは
つまり、純粋経験とは、感覚情報を受信した刹那の経験である。そこから、様々な細工、思想、思慮分別、考え、判断を次から次へと加えている。特に現代では、社会的な成功を勝ち取るためには、感覚情報を高度に加工する必要がある。
しかし、その社会から超越するためには、社会で身にまとった衣は脱ぎ捨てねばならない。深い深い瞑想(座禅)は、感覚情報に加えられた様々な細工を取り去って、あらためて感覚そのものに立ち会う(純粋経験)作業である。おそらく、坐禅体得した西田幾多郎は、凡人では経験しえない、感覚そのものに出会えたのだろうと想像する。彼は、心の奥底まで、意識を沈み込ませることができたのだろう。瞑想能力は、心の底を目指して、何処まで潜り込めるかで、判断できる。