3-1-4)昼夜の区別と生物時計
間脳の視床下部前方にある「視交叉上核」(約4万5000個の神経細胞で構成)に、生理機能(睡眠も含めて)にリズムを与える生物時計(体内時計)が存在し、生後半年程でそれが働き始める。これによって、昼夜の区別がはっきりして来る。
実は、体のほぼすべての臓器にも体内時計があり、視交叉上核は、それら全ての最高中枢の役割を担っている。
ところで、人などの哺乳類だけではなく、また鳥や魚などの動物や昆虫ばかりでもなく、驚くことに、植物、菌類までもが体内時計を持っているのだ。
というのは、生物(動植物)は、細胞内のタンパク質が約24時間周期で増減することで時計の役割を果たしている。つまり、細胞あるところ時計ありである。
ということで、視交叉上核が、体内にある全ての個々の生物時計の同期元であり、元締め役である。メラトニンが視交叉上核の生物時計を同調する働きを担う。
だが、体内時計そのものが、地球の自転に同期する。つまり、地球自体が、全ての体内時計の同期元である。
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